会長挨拶

会長挨拶
会長挨拶

このたび、2年毎の役員改選により、2023(令和5年)年度、2024(令和6年)年度の会長職を2025(令和7年)8月31日まで続投させていただくことになりました。微力ではございますが今期も新役員ともども学会の発展のためにいっそう力を尽くして参りたいと存じます。
 今期に至るまで会員の皆さまには、本学会の事業や活動に対して多大なるご支援、ご協力を賜り、心より感謝申し上げます。おかげさまで本学会の定款にある目的「小児はりの発展を図るため、小児はりの研究と普及を行い、もって小児の健康増進に寄与する」を実現する事業を推進させていただくことができました。もちろん、会員の先生方も個々に研究と普及に精力的に活動されていらっしゃることと改めて敬意を表したいと思います。
 ところで前年度の第11回特別講習会、第17回学術集会とも盛況にそして好評のうちに終えることができました。第11回特別講習会は「小児の発達支援における小児はりの可能性-リハビリテーション専門職から学ぶ-」とのテーマで作業療法士の中岡和代氏、理学療法士の安井雅子氏、言語聴覚士の松野祐美子氏、そして米国で数多くの神経発達症の子どもの治療を続けてこられた鍼灸師の桑原浩榮氏、作業療法士で鍼灸師の佐藤直子氏から、臨床の参考になるお話をお聞きすることができました。特に佐藤直子氏のバネ付きテイシンによる手足の拘縮が即座に寛解する動画には、誰しも驚かれたことと思います。佐藤直子氏は、ご自身の体調が悪化するなか、特別講習会でのご講演を同僚の先生方に助けられ、実現していただきました。残念ながら、先生はご講演の前に逝去されました。私たちに大きな成果を遺してくださったことに心より感謝し、ご冥福をお祈りしたいと思います。
 また、第17回学術集会では、「改めて小児はりを考える」と題し、会長講演、臨床講演、シンポジウムで「小児はり」の定義について問題提起させていただきました。参加者の皆さまとともに、小児はりについて考える時間を共有させていただきました。
 いま、「小児はり」という皮膚に接触させるだけの鍼法については、国内はもとより、海外でも、さらに注目を集めるようになってまいりました。臨床では皮膚への軽微な刺激がもたらす効果には施術者自身が驚かされることも少なくありません。また、その機序についても皮膚科学や神経生理学によって解明されるようになりつつあります。それらの成果から、先人によって伝承されてきた小児はりのテクニックが理に叶っていたことにも驚きます。
 私たちは、会員の皆さまとともに、「小児はり」の知識と技術のさらなる追求を目指し、小児のみならず多くの方々の健康に貢献できるよう、学会事業を進めてまいりたいと思います。
 そのために、今年度は必要な用語の定義、共通カルテの策定等を押し進め、魅力的な学術集会や特別講習会を開催してまいりたいと思います。
 昨年、新型コロナウイルスは第5類に移行し、感染も落ち着いてまいりました。今年度の特別講習会や学術集会は、オンラインだけでなく、久しぶりに会場参加もできる開催を予定し、準備を進めております。ぜひご参加くださいますようお願いします。本学会が会員のみなさまの臨床・研究に一層役立つことを目指して、引き続き、事業を進めてまいる所存です。会員のみなさまの益々のご活躍とご発展をこころよりお祈り申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。

一般社団法人 日本小児はり学会会長  井上 悦子

pegetop

Copyright (c) 2020 日本小児はり学会 All Rights Reserved.